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表面利回りと実質利回りの違いとは?正しい計算式と目安の数値を解説

この記事でわかること: 表面利回りと実質利回りの計算式の違い、東京・地方別の目安数値、そして自社シミュレーターで5分以内に試算する方法。


表面利回りと実質利回りとは?

表面利回り(グロス利回り) とは、物件価格に対する年間家賃収入の割合であり、諸経費を含まない最も基本的な収益指標です。

実質利回り(ネット利回り) とは、管理費・修繕積立金・固定資産税などの年間諸経費を差し引いたうえで、物件価格と購入時の諸費用を合算した総投資額に対する利益率のことです。

実際の手残り(キャッシュフロー)を把握するには、表面利回りではなく実質利回りを基準にする必要があります。


計算式の比較

表面利回り(グロス利回り)の計算式

表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

計算例:

  • 物件価格:3,000万円
  • 月額家賃:15万円 → 年間:180万円
  • 表面利回り = 180万円 ÷ 3,000万円 × 100 = 6.0%

実質利回り(ネット利回り)の計算式

実質利回り(%)= (年間家賃収入 − 年間諸経費)÷(物件価格 + 購入時諸費用)× 100

計算例(同じ物件):

  • 年間諸経費:管理費(月1万円)+修繕積立(月5,000円)+固定資産税(年10万円)= 年28万円
  • 購入時諸費用(仲介手数料・登記費用等):約90万円(物件価格の約3%)
  • 実質利回り = (180万円 − 28万円)÷(3,000万円 + 90万円)× 100 = 4.92%

表面利回りと実質利回りの比較表

項目表面利回り実質利回り
別称グロス利回りネット利回り
計算対象年間家賃収入のみ家賃収入 − 諸経費
分母(投資額)物件価格のみ物件価格 + 購入諸費用
数値の大きさ高く出る(実態より楽観的)低く出る(実態に近い)
主な用途物件の比較・スクリーニング投資判断・CF計算
信頼性低い(費用無視)高い(費用込み)

東京・地方別の利回り目安

下表は一般的な市場データに基づく参考値です(物件条件・築年数・エリアにより大きく変動します)。

エリア表面利回り目安実質利回り目安
東京都心部(山手線内側)3.0〜4.5%2.0〜3.0%
東京23区(一般)4.0〜6.0%2.5〜4.0%
首都圏(神奈川・埼玉・千葉)5.0〜8.0%3.5〜5.5%
地方政令指定都市(大阪・名古屋・福岡)6.0〜10.0%4.0〜7.0%
地方都市(その他)8.0〜15.0%5.0〜10.0%

[!NOTE] 表面利回りが高くても、空室率が高いエリアや管理費が高い物件では実質利回りが大幅に下がることがあります。


実質利回りをさらに正確にする「税引後CF」

実質利回りだけでは、ローン返済額と税金が考慮されていません。投資家が最終的に手にする「税引後キャッシュフロー(CF)」は以下で計算します。

税引後CF = NOI(純営業収益)− ローン年間返済額 − 所得税・住民税

ここで重要なのはローン条件です。 同じ実質利回り5%の物件でも、借入比率や金利によって手残りは数十万円単位で変わります。


自分の物件で実質利回りとCFを試算する

計算式を理解したら、次は実際の数値でシミュレーションしてみましょう。

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まとめ:物件選びで使うべき指標は?

フェーズ使うべき指標理由
物件の一次スクリーニング表面利回り計算が簡単・比較しやすい
詳細な投資判断実質利回り実態の収益性を反映
ローン込みの最終判断税引後CF実際の手残りを把握できる

表面利回りはあくまで「入口の目安」。実際の投資判断には実質利回りとキャッシュフローの両方を確認することが不可欠です。